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小春日記

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矢口敦子「愛が理由」

矢口敦子さんの「愛が理由」を読みました。
矢口敦子「愛が理由」_d0045063_17555130.jpg携帯を握りしめて
笑顔で死んでいった親友の美佐子。

死の真相を追う
麻子の前に現れたのは、
少女と見間違えるほどの
美貌の少年だった…。

書き下ろし恋愛サスペンス。
                「MARC」データベースより
矢口さんの作品は2作目です。
前に読んだ「償い」がなかなか面白かったので借りてみました。

読みやすいのでどんどん読んでいたら
「あれ?もうページがあんまりないよ」と気付きました。
こんなんで事件の真相に行きつくんだろうか、と
少し心配になりましたが
ラストで二転三転、「面白いじゃん」と思わせてくれました。

でも…



ここからはネタばれになります。





主人公の麻子の親友、美佐子の死は実は自殺でした。
何故、自殺したのか…


美佐子の両親はどちらも癌で死にました。

そのため美佐子は極端に癌になるのを恐れ、
ネットで見つけた遺伝子診断を受けます。
その結果、陽性と判断され、
ショックを受けた美佐子は自殺するのです。
(かなり端折っていますが要点はこんなものでしょう)


癌の遺伝子診断で陽性反応がでたからといって
自殺するでしょうか?
発症したわけでもないのに。

美佐子が恐れていたのは乳癌だったのですが
乳癌は他の癌に比べれば比較的見つけやすいし
手術をすれば完治する可能性は高いです。

私の身近にも乳癌を罹患した人を何人か知っていますが
みな手術をして元気にしています。

だから例え発症したとしても
(それが余命数か月と宣告されたとかいうのならともかく)
思考が自殺へ向うのも理解できないし、
遺伝子で陽性判断されただけ、なんて…

誰だって癌になんかなりたくないです。
でも癌になった人も
ほとんどの人が前向きに生きています。


これが自殺へ向かった原因だなんて
ちょっと納得できないです。
by koharu1002 | 2009-03-05 17:59 | こんな本、読みました