重松清さんの「きみの友だち」を読みました。
友だち?
他人だよ、そんなの。
でも特別な他人、大切な他人。
嬉しいこと、
つらいことがいっぱいあったから
「友だち」の意味がわかった-。
痛みや喪失を乗りこえ、
少女たち、少年たちはやがて…。
『小説新潮』掲載に加筆。
「MARC」データベースより
これはよかった。とてもよかった。本当によかった。
重松さんの作品は確か4冊目です。
(たった4冊かもしれませんが)私はこの作品が一番好きです。
どんな感性をもっていれば、こんな風に
小学生や中学生の頃の心の動きを描けるのでしょうか?
どの感情もかつて一度は感じた事がある気がします。
思春期の頃の不安や苛立ち、
憧れや羨望や嫉妬などの入り混じった友達への気持ち。
小学生の時、
自分の傘から押し出されて交通事故にあい
それ以来松葉杖なしでは歩けない恵美ちゃん。
腎臓が悪く、長く生きられないだろうと言われて
いつも俯いてすまなさそうにしている由香ちゃん。
二人は、静かにでも楽しそうに寄り添っています。
永遠にそうしていられたらどんなによかったでしょう。
でもそうだったら、この素晴らしい話は生まれなかったでしょう。
たとえこれが小説だとしても…
重松作品、奥が深いです。
まだまだたくさん読みたいです。