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小春日記

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荻原浩「誘拐ラプソディー」

荻原浩さんの「誘拐ラプソディー」を読みました。
荻原浩「誘拐ラプソディー」_d0045063_22262982.jpg伊達秀吉は前科三犯。

ギャンブルにはまって借金を作り
前科者と知っていてやとってくれた
社長をなぐり、金庫のお金を持ち出し
会社の車に乗って逃げた。

奪ったお金は
早々にギャンブルに消え、
手の中には二百三十六円しかない。

もはや死ぬ以外の道はない、と秀吉は覚悟する。

首つり、飛び降り、排ガス自殺と方法はいろいろ考えた。
一番苦しまなくて済む方法と、排ガス自殺をする事にしたが、
目張りのためのガムテープがない。

売ってなければいいのに、と内心思いつつコンビニへ。
残念な事にガムテープはちゃんとコンビニにあった。

いざ排ガス自殺、と準備をしていると
後部座席で眠りこむ子どもを発見。

秀吉は死なずにすむ方法を見つけた。
この子を誘拐して身代金を奪うのだ。

しかし、その子どもは暴力団の組長の一人息子だった…

面白かったです。
不謹慎かも知れないけど、
自殺しようといろいろ試す主人公の秀吉の姿がおかしくて
しょっぱなから笑ってしまいました。

どんどん話に引き込まれて、昨日今日の二日間で読了。

主人公の秀吉はギャンブル好きでだらしないどうしようもない男だけど
愛すべきキャラクターでもあります。

誘拐される伝助もなかなかに可愛い。

暴力団の面々にチャイニーズ・マフィア、
丸暴の刑事さんまででてきてにぎやかな事。

テンポがよくコミカルで飽きさせません。

ラスト近く、秀吉が伝助の母親に
教育について語る部分は心に響くものがあります。


クリーンヒットが続く荻原作品、次は何を読もうかな^^
by koharu1002 | 2008-09-01 23:20 | こんな本、読みました