雫井脩介さんの「虚貌」を読みました。
運送会社に勤める荒、時山、坂井田は
会社のトラックを無断で使い
アルバイトでかせいでいた。
それを社長にとがめられ
弁明をする機会も与えられず
解雇される。
恨みに思った三人は、
未成年の湯本を仲間に加え
社長宅を襲撃する。
社長夫妻は惨殺され長女は半身不随、
弟は大火傷を負う。
21年後、三人に陥れられ主犯にされた荒が出所する。
そして、坂井田、時山が続けて惨殺される…
いやー、こういうのを面白いって言うのでしょうか…
確かにぐいぐいひっぱられて
かなり厚い上下本を3日ほどで一気に読んでしまいましたが。
登場人物がみな何かしら「負」をおって生きている。
癌におかされ、余命わずかな刑事。
刑事の一人娘で夢見た芸能界に
おいてけぼりをくって過食症になった娘。
顔の痣にコンプレックスをもち、
カウンセリングに通う若い刑事、等々…
陰惨な殺人事件がベースだとはいえ
救いが全然ありません。
それに犯人もトリックも終りまでいかない内にわかるのだけど
そのトリックって人に言わせると「掟破り」なんだそうで…
私は「アリ」かな、と思ったんだけどなぁ
この小説の主人公って誰なんだろう?
やっぱり犯人かな?
雫井さんのは「火の粉」を読んだ事があります。
あれも人間が一番怖い、って話だったな(--;