飯田 譲治さん、梓 河人さん著の「アナン、」を読みました。
流は駅で突然倒れ、
名前さえわからない記憶喪失になる。
過去を恐れる気持ちが強く
流はホームレスとなって
何の希望もないまま生きていた。
初雪の降った日に死のうと決心し
最後の晩餐にと選んだ
高級割烹のゴミ袋の中で
まだ生まれて間もない赤ちゃんを見つけてしまう。
ほとんど死にかけていた赤ちゃんを
必死になって助けようとする流れ。
一命を取りとめた赤ちゃんは「アナン」と名づけられ
流やホームレスの仲間に見守られ
すくすくと大きくなる。
何故か誰もがアナンの世話を焼きたがった。
そしてアナンの黒い瞳に見つめられると
知らない内に自分の過去や
過去に犯したあやまちを懺悔するように
幼いアナンに打ち明けるのだった…
初めて読んだ作家さんでしたが
素晴しい(私好みの)作品でした^^
アナンはもちろんアナンを取り巻く人々が
個性的でわかりやすいし、
アナンに(一方的にでも)話を聞いてもらい
心が浄化されていく様子は
こちらも心が温かくなる感じです。
もちろん登場人物が全ていい人たちばかりではなく
アナンは何度か危険な目にあったりもします。
それがまたドキドキとしていい(^^ゞ
これってジャンルとしてはファンタジーなんだそうですが
大人が読んでも普通に入り込んで読める作品です。
この作家さん、前に読んだ(映画にもTVドラマにもなった)
「アナザへブン」の作家さんだそうで
あんな気持ちの悪い(失礼…笑)作品もかけるし
こんな温かい作品も書けるんですねぇ…
作家さんはすごい!