山本一力さんの「深川黄表紙掛取り帖」を読みました。
カッコイイ奴らが、
金に絡んだ江戸の厄介ごとを、知恵で解決する裏稼業。
定斎売りの蔵秀、長身男装の絵師・雅乃、文師・辰次郎、
飾り行灯師・宗佑の若い四人が力をあわせ、
豪商・紀伊國屋文佐衛門とも渡り合う。
大店が桁違いに抱えた大豆を、
大掛かりなアイディアで始末する「端午のとうふ」、他4編を収録。
「BOOK」データベースより
持ち込まれる厄介事を
奇抜で斬新なアイディアで解決していく様子は
なかなか気持ちがいいですね^^
それにアイディア倒れしない堅実で
入念な下準備も素晴らしい。
ただ「端午のとうふ」で敵役を懲らしめる部分は
案外あっさりしていてちょっと残念でした。
「水晴れの渡し」は
自分がもうけるためなら人の店を乗っ取ろうとおかまいなしの太田屋に
数年後には橋ができて、いまほどの儲けがなくなることをわかっていて
船宿株を売りつける話です。
この話はどうなんだろう…
これって(売りつける相手がどうだろうと)
ちょっとした詐欺じゃないかと思うし、
また最終的には(「そして、さくら湯」)老中の柳沢吉保がでてきて
けりをつける、というのも少し乱暴ではないでしょうか。
あ、でも、悪いやつらから金を巻き上げるって話は
昔からあるし、それはそれでいいのか…
登場人物も個性的で面白いし、
頼まれた厄介事の元にある謎解きも楽しいし、
めりはりのきいた江戸っ子のかけひきも気持ち良かったです。
でも個人的には「損料屋喜八郎」の方が好きかな(^^
たくさんある山本作品、まだまだ読んでいきたいですね^^