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小春日記

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重松清「流星ワゴン」

重松清さんの「流星ワゴン」を読みました。
重松清「流星ワゴン」_d0045063_18583627.jpg37歳・秋「死んでもいい」と思っていた。

ある夜、不思議なワゴンに乗った。
そして―自分と同い歳の父と出逢った。
僕らは、友達になれるだろうか。
               「BOOK」データベースより

重松さんの作品は7冊目です。

たぶん今まで読んだ作品の中で
感動の温度が一番低い気がします。


1人息子は中学受験に失敗し、入学した公立中学でなじめず
引きこもりになり時々親に暴力をふるいます。
妻には離婚届を突き付けられ、会社からはリストラされ
主人公は「死んでもいいな」って思ってます。

そんなある夜、
不思議なワゴン車が目の前に止まり
乗るようにうながされます。

運転しているのは、5年前家族ドライブの途中で運転ミスで亡くなった橋本さんで
一緒に亡くなった小学2年生の息子、健太くんも乗っています。

橋本さんの運転で、主人公は主人公にとって懐かしい場所、
大切な場所に連れていかれます。

その場所は、主人公がいくつかある選択肢を間違えた場所なのです。

でもそれは自分、息子、妻の現在を知っているからこそわかることなのです。

あそこでこうしていれば、ああ言ってやれば…

ここで間違えたんだと気づいてもやり直しはできません。

わかっているのに同じ事を繰り返すつらさ…


かなり切ないです。


でも私がなじめないのはそういう事ではなくて
主人公の今の境遇が、主人公の行動にだけ問題があったのではないと思うからです。

主人公は一生懸命に生きていました。
真面目に働いたし、奥さんや子どもを愛していたし
とても大切にしていました。

言葉のすれ違いなんて、いつでも誰とでも起きることだし
家族だって同じだと思います。

責められるべきなのは主人公ではない気がするのです。


とくに主人公の奥さんは
ただの病気ですましていいものでしょうか?
離婚届を突き付けるのは主人公からではないのでしょうか?
あの妻の行動を許せる旦那さんがいたら
私はあってみたいです(--



でも、この旅で
主人公が嫌っていた主人公のお父さんについて
主人公が理解を深めていったのはよかったです。


子どもを愛さない親はいない(と言いきれないのが辛い)はずです。

チュウさんの優しさと明るさが私の救いでした。













実は、何度もでてくる長たらしい性描写にもついていけませんでした。
こういうのって苦手なんです(ーー;


重松作品、かなり気にってたんですけど
ちょっとテンションが下がってしまいました、残念だなぁ…
by koharu1002 | 2009-08-23 21:46 | こんな本、読みました