小春日記

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北重人「夏の椿」

北重人さんの「夏の椿」を読みました。
d0045063_2373598.jpg天明六年、
江戸を襲った大雨の夜、
甥の定次郎を
何者かに殺された立原周乃介は、
その原因を調べていくうちに、
定次郎が米問屋柏木屋のことを
探っていたことを知る。

柏木屋の主人、任三郎にはどうにも後ろ暗い過去がある。
核心に迫る周乃介の周りで、不穏なことが多発するようになり―。

あなたも周乃介とともに事件を追いつつ、
江戸の町歩きを体験できる、鮮烈のデビュー作。
                           「BOOK」データベースより

この作家さんも初めて読む作家さんです。
よかったです、とてもよかった。

静かにでも着実に相手を追い詰めていく様子は
読んでいてどきどきしました。

でてくる人物もみな個性的です。

途中で(主人公の)周乃介の情報が
米問屋の任三郎側へ抜けていると気づくのですが
私も読みながら、
「この人かな?いやこの人なら人が信じられなくなるよなぁ」などと
いろいろと考えていました。


色を添えているのは
定次郎が惚れた遊び女の沙羅。
元は遊び女ではあるけれど全然すれてなくて気品があって
しだいに周乃介も惹かれていきます。


ラスト1/3は夜中に一気読みです。
特に任三郎の寮(別荘のようなものでしょうか)での
悪との対決は、本当にどきどきはらはらで
文章を読んでいるのに映像で見せられている感じでした。



時代小説は大好きです。
また一人他の作品を読んでみたいと思える作家さんに巡り合えました^^
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by koharu1002 | 2008-11-30 23:37 | こんな本、読みました

重松清「日曜日の夕刊」

重松清さんの「日曜日の夕刊」を読みました。
d0045063_238134.jpgひさびさに家族全員揃った
日曜日の夕方、
ちょっと照れくさくなったお父さんが、
日曜日には夕刊がないことを知りつつ
「えーと、夕刊は…」
なんてつぶやいてしまう、
そんな気持ちにささやかなエールを
贈らせてもらいます。

現実の夕刊が哀しいニュースで埋め尽くされているからこそ、
小さな小さなおとぎ話を、12編。

微笑んでいただくための短編集です。
                      「BOOK」データベースより

「チマ男とガサ子」「カーネーション」「桜桃忌の恋人」
「サマーキャンプへようこそ」「セプテンバー’81」「寂しさ霜降り」
「さかあがりの神様」「すし、食いねェ」「サンタにお願い」
「後藤を待ちながら」「柑橘系パパ」「卒業ホームラン」
12個の素敵なお話です。
どれもちょっとほっとする、少し頬がゆるんでしまう、そんなお話ばかりです。
家族っていいな、なんて改めて思ったりします。

家族の話ではないですが「桜桃忌の恋人」を読んで思い出した事があります。

それは私が高校生の頃、街の本屋さんの文庫本の棚の前で
友達とどの本を買おうかとあれこれ話していた時、
リュックを背負った山男風の青年に
「これ読んでみませんか?」と勧められたのが太宰治の「女生徒」。

「人間失格」を途中で放り出した事のある私は
「太宰治ですかぁ?」とつい(笑)
青年は「太宰治も難しい作品ばかり書いているわけじゃないんだよ」と。
結局、勧められるままに買いました。
(あの頃はなんて素直…笑)

すっかり内容なんて忘れてしまっていますが
しばらく太宰治にはまっていろいろと読んだ事だけ覚えています。

あ、なぜか「斜陽」の冒頭の部分だけは覚えていて
この作品にこの部分が載っていて懐かしかったですね。




その書店は商店街に面したところに文庫本を並べた棚をおいてありました。
ドアも窓もない、本当にオープンな空間でした。
今のように万引きの被害でお店がつぶれてしまうような心配のない
おおらかな時代だったんですね。



       ++++++++++++++++++++++++



前は短編はそう好きではありませんでした。
どちらかと言えば長編の「読んだど―」と
自分で読破の感動にひたるような作品が好きでした。

でもこういう短編集も
お気に入りの小物たちを
いっぱい詰め込んだ宝箱をプレゼントされたようで
なんだかとっても素敵だなって感じました。
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by koharu1002 | 2008-11-26 23:39 | こんな本、読みました

桂望実「明日この手を放しても」

桂望実さんの「明日この手を放しても」を読みました。
d0045063_1917421.jpg19歳で途中失明して夢を失った凛子。

向日葵のようだった母の死に続き、
寡黙だけど優しい漫画家の父まで
いきなり「消えて」しまった。

残ったのは、自分のことに精一杯で
気配りの足りない兄・真司だけ。

その日から
「世界中の誰よりも気が合わない二人」だけの生活が始まった!
一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは…。

家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。
                      「BOOK」データベースより

初めて読む作家さんです。

几帳面で冷静で潔癖症な凛子と、
いつも不満だらけで無神経な兄、真司。

母の死、あいついでの父親の失踪。
突然二人きりにされてしまった兄妹。

初めは全く相いれない感じの二人でしたが
徐々に変わっていく様子がなかなか良かったです。

凛子と真司のそれぞれの視点で
章が交互に書かれていて
どちらにも偏らないで読めるのが良かったのかも知れません。

どちらかだけの視点で書かれると
どちらかは全く愛されないキャラクターになっていたかも、です(笑)

特に兄、真司の変わりようは目を見張るものがあります。
最初の頃の、視覚障害者の妹に対する気配りのなさは目を覆うばかりですが
でもそう言ってもそういう障害のある人間が身近にいない私も
さてどれくらいの気配りができるかって言われれば
真司と対して変わらないのじゃないかと思います。

言葉は悪いかも知れませんが「慣れ」って大事ではないでしょうか。
「慣れ」というか「学習」というか…

突然二人きりにされて初めて
真司は凛子の視覚障害に向き合うわけですからね。

何にしても兄妹ですもの、
お互いがお互いの存在をかけがえのないものだと感じられるようになって
本当に良かったです。

しっかし、お父さんはどこへ行ってしまったんでしょうねぇ…
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by koharu1002 | 2008-11-25 23:41 | こんな本、読みました

宮部みゆき「あやし」

宮部みゆきさんの「あやし」を読みました。
d0045063_1837670.jpg十四歳の銀次は
木綿問屋の「大黒屋」に
奉公にあがることになる。

やがて店の跡取り藤一郎に
縁談が起こり、
話は順調にまとまりそうになるのだが、
なんと女中のおはるのお腹に
藤一郎との子供がいることが判明する。

おはるは、二度と藤一郎に近づかないようにと店を出されることに…。

しばらくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ
遣いを頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは…。「居眠り心中」

月夜の晩の本当に恐い江戸ふしぎ噺・九編。
                      「BOOK」データベースより

「居眠り心中」「影牢」「布団部屋」「梅の雨降る」「安達家の鬼」
「女の首」「時雨鬼」「灰神楽」「蜆塚」の九編の短編集です。

宮部さんはほんとにこういう話が上手ですね。
どれも映像でみせられているように感じてしまいます。



私は「安達家の鬼」という話が一番好きです。
この話にでてくる鬼は人に悪さをしません。
ただ心の中に醜いものを抱えている人には恐ろしい形となって現れ
寂しい気持ちを抱えている人には寂し気な様子で現れます。

ここに嫁いできた嫁にはその姿が見えません。
それは心根が純粋だからなのではないと、おかみさんは言います。

「この家で、泣いたり笑ったり怒ったり、意地悪をしたり悪いことをしたり
親切にしたりして暮らしてごらん。
そのうちおまえにも、〝鬼″が感じられるようになる。
ただ、それが恐ろしい姿を成さないように、それだけは気をつけてね」
と。

そして
「良いことと悪いことは、いつも背中合わせだからね。
幸せと不幸は、表と裏だからね」
辛いことばかりでは、逆に〝鬼″も見えないのかもしれないー
だからやっぱり、おまえはこれからなのだよ。
と。


生きていればいろんな感情が生まれます。
褒められれば嬉しいし、
文句を言われれば言った相手に嫌な気持ちをもったりします。

人を羨ましいと思う事もあるし、
人に優越感をもつこともあります。

そういうことをひっくるめて生きている証拠なのかもしれません。

おかみさんの傍に寄りそう鬼は
私にはどんな姿で見えるのでしょうか。


+++++++++++++++++++++++++


同時に4冊読んでいました。
図書館で借りた本と、この「あやし」それから「NIGHT HEAD」
職場のロッカーにも一冊。
ようやく三冊になりました(^^;

図書館で借りた5冊もあと1冊に。
どうにか延長をしなくてすみそうです^^
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by koharu1002 | 2008-11-23 21:04 | こんな本、読みました

誉田哲也「武士道シックスティーン」

誉田哲也さんの「武士道シックスティーン」を読みました。
d0045063_21284385.jpg「ようするに
チャンバラダンスなんだよ、
お前の剣道は」
剣道エリート、剛の香織。

「兵法がどうたらこうたら。
時代錯誤もいいとこだっつーの」
日舞から転身、柔の早苗。

相反するふたりが出会った―。
さあ、始めよう。
わたしたちの戦いを。わたしたちの時代を。
新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち一本。
                         「BOOK」データベースより

初めて読む作家さんです。
新聞に「武士道セブンティーン」が紹介されていて
面白そうなので借りようと思っていましたが、
こちらの作品の続編ということなのでこちらを借りてみました。

とても面白かったです。

一に剣道、二に剣道、三も四も剣道の中学三年生の磯山香織。
全中準優勝の成績を不満に思うほど、自分の剣道に自信をもっていた。
ところが、消化試合だとうそぶきながら出場した地元の大会で
名前も知らない選手に不覚にもメンを取られて負けてしまう。

何故負けたのか…納得のいかない香織は
自分を負かした選手が所属する東松高校へ進学する。

香織に勝った選手は西荻早苗と言い、
父親の事業の失敗で習っていた日舞の稽古を続けられなくなり
剣道に転向したという変わり種。

剣道を始めたのは遅かったけれど
素直で真面目で剣道に対しても一生懸命な事が功を奏して
周りも驚くほどの成長ぶり。

しかし本人は勝つ事負ける事にうとく、また執着もない。
反対に香織は剣道は勝たなければ意味がないと言い切る。

同じ高校の剣道部で相対する事になった二人だが
あまりにもお互いの感覚がかけ離れていて、反発するばかり…



文章が読みやすいばかりでなく、
ところどころ噴き出してしまうような表現があって
とても楽しいし、面白かったです。


勝つ事にしか意義を見いだせなかった香織が
ふとその意義に疑問を持ち、悩みはじめます。

大人になり始める時って、ほんといろいろな事を考えますよね。

そして成長するんですよね^^



読後感も爽やかで
久しぶりに気持ちのいい青春小説(そんなジャンルある?)を読みました。

次は「武士道セブンティーン」を借りてこよう^^
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by koharu1002 | 2008-11-22 22:37 | こんな本、読みました

宮部みゆき「本所深川ふしぎ草子」

宮部みゆきさんの「本所深川ふしぎ草子」を読みました。

d0045063_2036238.jpg「片葉の芦」「送り提灯」
「置いてけ堀」「落ち葉なしの椎」
「馬鹿囃子」「足洗い屋敷」
「消えずの行灯」の7つの不思議な話です。

不思議話と言っても、前の「おそろし」のように
怖い話はほとんどありません。
強いて言えば
人間の心の持ちようが怖いって感じでしょうか。

どれもちょっと悲しくてちょっとやさしくて、ちょっと切ないです。

そう長い作品でもないし、読みやすいのであっという間に読んでしまいました。
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by koharu1002 | 2008-11-20 22:02 | こんな本、読みました

飯嶋和一「黄金旅風」

飯嶋和一さんの「黄金旅風」を読みました。
d0045063_1931689.jpgいつの世も、希望は人に宿る―

江戸寛永年間、海外貿易都市・長崎に
2人の大馬鹿者が生まれた。

その「金屋町の放蕩息子」
「平戸町の悪童」と並び称された
2人の問題児こそ、
後に史上最強の朱印船貿易家と呼ばれることになる
末次平左衛門(二代目末次平蔵)と
その親友、内町火消組惣頭・平尾才介である。

卓越した外交政治感覚と
骨太の正義感で内外の脅威から長崎を守護し、
人々に希望を与え続けた傑物たちの、熱き奔流のような生涯!
                    出版社/著者からの内容紹介

前に読んだ「出星前夜」の
「出星前夜」よりも先に読むべき作品だと言う事で読みたいと思いました。

でも市の図書館にはおいてなかったので
県図書までいって借りてきました。


だけど…

実は勝手な思い込みで、主人公は恵舟先生だと思ってました(^^;
まずそれが一つ目のがっかり。

そして話が長いのに「・・・」

長い話はけっこう読む方だと思います。
嫌いじゃありません。

だけど話の大筋に関係のない人物まで
その生い立ちや現在の環境まで詳細に書かれてしまうと
飽きてしまいます(--;

話をふくらませすぎではないでしょうか。
あまりにも登場人物が多すぎる気がします。
それが二つ目のがっかりですね。

歴史物は好きです。
いろんな意味で勉強になります。
今回も(全部が史実通りではないかも知れませんが)
実に勉強になりました。

ただ、この作品では敵役となっている、竹中重義は豊後府内藩の藩主です。

豊後府内藩、今の大分ですね。

産まれも育ちも大分の私としては
それもがっかりのひとつです。


話として面白くないわけではないのですが
そういういろいろながっかりで
どうしても身が入らず読むのに10日位かかってしまいました。

市の図書館が本の整理だとかで、
今回はいつもより長く借りられるとはりきって5冊も借りたのに
これに時間をさいてしまったので、読み終えられるか微妙です(^^;

読まずに返す事だけはさけたい。
延長もできればさけたい。
頑張るしかない、です(笑)
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by koharu1002 | 2008-11-19 20:02 | こんな本、読みました

奥田英朗「延長戦に入りました」

奥田英朗さんの「延長戦に入りました」を読みました。
d0045063_22542020.jpgボブスレーの二番目の選手は
何をしているのかと物議を醸し、
ボクシングではリングサイドで
熱くなる客を注視。

さらに、がに股を余儀なくされる
女子スケート選手の心の葛藤を慮る、
デリケートかつ不条理な
スポーツ無責任観戦!

読んで・笑って・観戦して、三倍楽しい猛毒エッセイ三十四篇。
                      「BOOK」データベースより

やっぱり奥田さんの作品は面白いです。
思わずふき出したり、ニヤッと笑ってしまったり…

間違っても電車の中や病院の待合室で
この作品を読んではいけません(笑)
ヘンな人に思われちゃいます(^^;


そして、読んでるとつくづく世代が同じなんだなぁって思いますね。
「おれは男だ!」を懐かしく思い出しました。

青春ドラマ(死語?)「おれは男だ!」がヒットして
剣道部に女子の入部者が急に増えたという文章を読んで
思い出した事があります。

うちの長男が小学生の頃、少年ジャンプで「スラムダンク」が大ヒットして
それほど流行をおうような長男ではなかった(はず)んだけど
中学生になってバスケ部に入部しました。
前から数えた方が早いくらいの身長だったのに…(^^;

その学年のバスケ入部者は男女合わせて100人をこえたそうです。
もっとも一年目でほとんどやめてしまいましたが(笑)

TVにしても漫画にしても子どもたちに与える影響って大きいですね。
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by koharu1002 | 2008-11-17 23:18 | こんな本、読みました

映画「落語娘」

d0045063_22274243.jpg落語娘」を観てきました。
これはなかなか面白かったです。

なんといっても
津川雅彦さんの演技が素晴らしいです。

これは原作が読みたいですね。




某映画館の会員になってます。
会費は11000円で、
入会すれば10回無料で、11回目からは1100円で観られます。
今年で二年目です。

水曜のレディスデーに行ければいいんだけど
なかなかそんな理由で休みをもらうわけにもいかないので
会員になっていれば何曜日でも観にいけるわと思って入会したのですが
今年の前半は忙しくて観にいけませんでした。

いつでもいけるっていうのは行かないもんですねー(><)

10月になってもやっと5回観ただけ。
あわてて観溜めしています(^^;

大きな映画館であつかわないような、でもいい作品を上映している映画館です。
来年も会員でいたいけど、こんな状況じゃもったいないかなぁ…
来年は孫もできて映画どころじゃないかも知れないしなぁ…

思案どころです(^^;
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by koharu1002 | 2008-11-13 22:40 | 映画のハナシ

横山秀夫「震度0」

横山秀夫さんの「震度0」を読みました。
d0045063_22455716.jpg阪神大震災のさなか、
700km離れたN県警本部の
警務課長の不破義人が失踪した。

県警の事情に精通し、
人望も厚い不破が
なぜ姿を消したのか? 

本部長の椎野勝巳をはじめ、
椎野と敵対するキャリア組の冬木警務部長、
準キャリアの堀川警備部長、
叩き上げの藤巻刑事部長など、
県警幹部の利害と思惑が錯綜する。

ホステス殺し、交通違反のもみ消し、
四年前の選挙違反事件なども絡まり、
解決の糸口がなかなか掴めない……。
                         出版社 / 著者からの内容紹介

久しぶりの横山さんの作品です。
横山さんの作品は好きなものも多いんですが
これは「うーん…」ですね。

さすがに読ませる力はありますよね。
一気に読んでしまいました。

でもあまりに利己的な人ばかりで、読んでいて嫌になっちゃいました。

登場人物が多すぎだし、
それぞれの人物を中心にたくさんの章があるものだから
誰かに感情移入もできにくいし…

それに、あんなに警察内部の
特に上層部の人間関係ってドロドロしてるのかなーとか思っちゃうし…
文中にもあるけど、人ひとりが行方不明になってるのに
だれも心配してないって、それは冷たすぎるでしょ。

肝心の失踪事件の真相も
ここまでひっぱってこんな事とは…

あ、そうか…
こんな真相なのに上層部の面々が権力志向をむき出しにして
右往左往する様子が結局は面白いのかも…



とりあえずは堀川部長の家庭が少しでも明るいものになる事を祈ります。
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by koharu1002 | 2008-11-10 23:00 | こんな本、読みました