小春日記

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カテゴリ:こんな本、読みました( 289 )

「火車」

宮部みゆき作「火車」を読みました。

怪我で休職している主人公は遠縁の男性に
「婚約者が失踪したので探してほしい」と頼まれる。
婚約者は男性から自分(婚約者自身)が自己破産している事を
つきつけられた直後に、なんの痕跡ものこさないまま男性の前から姿をけしたのだ。
何故、婚約者は失踪しなければならなかったのか。
調べるうちに主人公は婚約者が他人の名前(戸籍)を乗っ取って
生活していた事に気づく。
婚約者は自分が自己破産者であることを知らなかったのだ。

面白いけど哀しい話です。
実際にあってもおかしくない話だし、
だからなおさらやりきれない気がします。


ローカル紙にエッセイストの飛鳥圭介さんが書く
「おじさん図鑑」というコラムがあります。
おもしろくて必ず読んでいるのですが
先日の文章の中に

前略…
 われらが人生は、あくなき日常の繰り返し。朝起きて、仕事をして、明日のために眠る。多少の喜怒哀楽はあるが、大きなドラマはない。
 しかし、そんな中で、ドラマチックな出来事というと、たいていの場合、不幸なことではないか。家族の誰かが死ぬとか病気するとか、仕事で失敗するとかが、実人生のドラマを実感するのはつらいときだ。
 幸福なときは淡々として日常は流れ、ドラマを実感することはない。
 もし今、あなたが「ドラマチックじゃないなぁ」と思われるのだったら、
それは、幸福の真っ最中なのかもしれません。
と、ありました。

本当にその通りだと私も思います。
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by koharu1002 | 2006-01-27 00:11 | こんな本、読みました

「博士の愛した数式」

小川洋子著「博士の愛した数式」を読みました。

「私」が「博士」と呼んだ老人(六十過ぎの男性を老人とは呼ばないのかも知れないが)
は記憶が80分で消えてしまう。
毎朝、新しい家政婦として老人の世話をする「私」とその息子。
「博士」は靴のサイズに、誕生日に、電話番号に、すべての数字に意味をもたせる。
「博士」は数を数式を、人を愛するようにこよなく愛していた。
「私」の息子は「博士」からルートと呼ばれ
「博士」が愛した数や数式と同じように、愛され慈しまれとても大切にされる。
記憶が80分で消えていくためにおきるさまざまなトラブルが
「博士」と「私」とルートに不思議で温かい絆にかえていく。

この小説は、本屋が選ぶ第1回本屋大賞、
第55回読売文学賞を受賞しているんだそうだが
私はそんな事はしらなかったし、文庫の帯にも書いていなかった。
なのに本屋の文庫本の棚をふらっと見ていた時、
この本を手にとって買おうと思ったのはなんでなのかな?と今頃思う(笑)
でも出会えてよかった一冊です。

数字が苦手で簡単な計算さえ間違えてよく笑われる私ですが
数字はこんなに温かく、それぞれ意味があって
素晴らしいものなんだと、この本は感じさせてくれました。

それから登場する人たちがみな温かい心で真面目に真剣に生きていることにも
とても心ひかれました。

ただ、読み始めてすぐにこれが寺尾聡さん主演で映画化されると知り、
頭の中の情景に寺尾聡さんの「博士」が浮かんできてしまい、
ちょっと残念でしたね。
寺尾さんがイメージに合わないとかじゃなく、
イメージがはじめに固まってしまったのが残念でした。
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by koharu1002 | 2006-01-15 18:58 | こんな本、読みました

「樹下の想い」

藤田宜永作「樹下の想い」を読みました。
病院の待ち時間のみで読んでいたので
読み終わるまでにとても時間がかかってしまいました。

華道家元の娘と花材職人の恋。
今は死語となった感のある「身分違いの恋」ですが、
やはり超えられない一線というものが
厳然とそこにあります。
しかし二十年の時を経て、主人公が「死」を背後に感じ取った時、
やっと恋はむくわれます。
それは花材として切ってしまえば、あとは枯れていくだけの花に似て
はかない、けれどだからこそ美しい瞬間でした。
切ない大人の恋愛小説です。

近頃、小説といえば推理小説しか読んでいなかったので
こういった小説はとても新鮮でしたね^^
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by koharu1002 | 2005-12-03 23:14 | こんな本、読みました

「退屈姫君伝」

米村圭吾作「退屈姫君伝」を読みました。
本のカバーの裏に書かれてあったあらすじにひかれて買った本です。

『吹けば飛ぶよな二万五千石の小藩に五十万石の姫君がお輿入れ。
そのうえこの姫君、美貌ながら生粋のいたずら好きときています。
退屈しのぎに屋敷を抜け出し、江戸城下を探検、
藩の六不思議の謎解きに血道を上げる日々。
ところが、田沼意次も絡んだ陰謀まで探り当てたから、さあ大変。
幕府隠密、くノ一、長屋の町人も巻き込み、
姫の貞操と藩の命運を賭けた大勝負の始まり始まり。』

ね、面白そうでしょ?
でもねぇ、本編はあんまり面白くなかったんです。
もちろん私にとっては、ですけど。
だからなかなか読み進まなくって、
病院の待ち時間にやっと読み終わりました。
登場人物はけっこう魅力的なんだけど
肝心の謎解きっていうのがあんまりたいしたことなくて…

読んだことのない作家さんの作品を選ぶ時、
こういったあらすじと全体の文章の感じで選ぶ事が多いです。
同じ作家さんの作品でも好きになれないものもあるんだから
初めて読んだ作品が好きじゃなくても
次はもっといいものにめぐりあうかもしれませんよね、
といいつつ、やっぱり次はないかも、と思う私でした(笑)

主観で書いていますから、もしこの作家さんをお好きな方も
気になさらないでくださいね。
文庫本になるくらいですからファンの方も多いのでしょうし^^
(誰に気ぃを遣ってるんだ?…笑)
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by koharu1002 | 2005-10-09 20:45 | こんな本、読みました

「5年目の魔女」

乃南アサの「5年目の魔女」を読みました。

町田景子は5年前に勤めていた会社を
友達だと思っていた同僚と
可愛がってくれていた上司との不倫関係に翻弄されて
会社をやめる事になった。
会社を変わり、インテリアデザイナーとして
勉強をし経験もつんで
やっと認められるようになった時、
大きな仕事が舞い込んできた。
しかしその仕事の発注者は…

乃南さんは好きな作家です。
でもこれはあんまり好きじゃないです。
読んだあともやりきれない感じがして…
これって推理小説?ミステリー?
よくわからないナ…
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by koharu1002 | 2005-07-12 23:40 | こんな本、読みました

「誘拐者」

折原一の「誘拐者」をやっと読み終わりました。

事件の発端は新生児の誘拐です。
新生児の母は子どもを求めて出奔。
しかし、新生児は親元へ戻されます。
それでも戻ってこない母親。
母親はどこへ?かかわった人間が殺されていくのは何故?
誘拐された子どもと同じ名前の子どもの相次ぐ誘拐は何のため?

「死病」に冒された夫を献身的に支える(内縁の)妻。
妻に嘘をつき通そうとする夫。
ただ子どもを生みたいだけで男を誘惑する女。
失踪した妻。
偶然のスクープ写真を撮ったことから巻き込まれていくカメラマン。
その恋人。
多くの登場人物がいろいろな謎を抱えていて
これが最後にどうつながっていくのか楽しみに読みました。
あまりにたくさんの人が死んでいくので
サスペンスとはいえ「こんなに殺さんといけんの?」なんて
ちょっと思いましたが。
最後はちょっとしたどんでん返しでした。
面白い本でした。
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by koharu1002 | 2005-06-21 20:45 | こんな本、読みました

「失踪者」

折原一の「失踪者」を読みました。
先日、古本屋さんで3冊まとめて買ったうちの一冊です。

「失踪者」は前回読んだ「沈黙者」と
書き方がとても似ていて、
間隔をあけて一冊ずつ読めばそう感じなかったのでしょうが
続けて読んでしまったので、かぶってしまって
「何だかなぁ・・・」って感じでした。

主人公も事件の内容もその背景も
もちろん全然違うのだけど、
「書き方」が同じというだけで半分興味がそがれてしまった感じです。

そのせいもあってなかなか読みすすみませんでしたが、
一泊入院の待ち時間があまりに長くて
そのお陰で読み終わりました。

事件の真相は「あら、そうだったの」で
怪しいものは怪しくなくて
怪しそうでないものが怪しい、という
セオリーどおりのお話だったと・・・(偉そうでごめんなさい…笑)

もう一冊、折原一の本を買っています。
これは前二冊と全然違う書き方だし、
登場者が多くて最後はいったいどうなるんだろう、と
今、興味津々で読んでいます。
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by koharu1002 | 2005-06-10 17:42 | こんな本、読みました

「沈黙者」

折原一著「沈黙者」を読みました。

昨日、通っている病院の診察日だったので
待ち時間に読もうと、先日古本屋で買ってきた一冊です。
ただあまりに長い待ち時間だったので
一頁目から読み始めたというのに、名前を呼ばれるまでには
ほぼ4/5まで読み終わってしまいました(苦笑)

ある地域でほぼ同じ時刻に2家族の惨殺事件が起きます。
一軒はその家の主人と妻、祖父祖母の四人が殺され
長男が行方不明、大学生の娘だけが生き残ります。
もう一軒は、その家の主人とその妻の二人が殺されます。
犯人は誰か?同一犯なのか?動機は?

途中途中にその事件とは別な事件が挿入されて
読み手としてはちょっと複雑だな、という印象が。
でも最後に全てがひとつになって
あぁ、そうだったのか・・・と。

初めて読む作家なのに3冊まとめて買ったので
面白い作品でよかった~と、ちょっとホッ(笑)
次を読むのが楽しみです^^
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by koharu1002 | 2005-05-19 20:12 | こんな本、読みました

「天国への階段」

白川 道著「天国への階段」を読みました。

家族を失い、愛する女性にも裏切られ
故郷を追われるようにして上京した圭一は
復讐だけを心に誓い、ただひたすら働いていた。
そんな圭一に思いもかけない大金が転がり込んだ。
圭一はそれを資本に二十六年後、
押しも押されぬ青年実業家に成り上がった。
そして圭一の復讐が始まろうとした時・・・

とても長い話です。
文庫本で全3巻。全巻とも頁は500近くありました。
でも登場人物がそれぞれとても魅力的だし、
話の展開が早いので飽きずに読めました。

ただラストがちょっと・・・哀しいです。
主人公はもちろん登場する人々がすべて
心に深い傷を負いました。
救われた人はいなかったのではないかと思います。

この小説にはいわゆるお金持ちがたくさん登場します。
お金持ちの暮らしぶりがあちこちで描かれています。
余談ですが、先日宿泊したホテルはとてもいい部屋で
広いしきれいだし設備もそろっているし、
家具調度品もとても素敵でした。
で、「お金持ちの泊るホテルってこんなんかなぁ~」なんて
(いや、きっともっとすごいんだろうけど)
ふと思ったのでした(笑)
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by koharu1002 | 2005-05-15 23:19 | こんな本、読みました