小春日記

koharu02.exblog.jp
ブログトップ

奥田英朗「オリンピックの身代金」

奥田英朗さんの「オリンピックの身代金」を読みました。
d0045063_20472972.jpg昭和39年夏。

10月に開催されるオリンピックに向け、
世界に冠たる大都市に
変貌を遂げつつある首都・東京。

この戦後最大のイベントの成功を
望まない国民は誰一人としていない。
そんな気運が高まるなか、
警察を狙った爆破事件が発生。
同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!

しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。

警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、
一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。

「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、
圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。
                  「BOOK」データベースより

市の図書館にはおいてなかったので
県図書に予約を入れて借りた作品です。

二段組みの500頁をこえる大作です。
読み終わっての感想は「読んだぁー」です ^^;


この作品は「サウスバウンド」の明るい部分を根こそぎとりのぞいて
さらに難しくしたような作品です。
奥田さんの作品は好きな物がおおいですが
これは正直に言えば、私には少し難しかったです。


東京オリンピックは私が小学校に上がる前の年に開催されています。
多分、ほとんどの国民は
オリンピックの明るい部分しかみていないと思います。

実際に暗い部分をみることは少なかっただろうし
またそういう部分があることを想像する事もなかったと思います。

「大阪城は誰がつくったの?」「大工さん」
なぞなぞではありませんが、
建物(または道路)は発注者がいて請け負った人がいて、
でも実際に地面をならしたり、柱をたてたりするのは
土木作業員さんです。

1972年に田中角栄氏が「列島改造論」を唱えて
全国での公共事業が増えるまで、
東北北陸の男の人は東京に出稼ぎにきていたようです。

72年といえば私はもう中学生でしたが
日本の南の方に住んでいるためか
「出稼ぎ」という言葉にこれといった感慨がありません。

これを読んでどんなに過酷な生活だったか
初めて知りました。

ただ知ったからといって共感できるというものでもありません。

主人公の島崎国男が
愛された記憶もない兄の生活を
自分もやってみようと思った気持が理解できません。

頭がいいというだけで楽な生活ができる事に
後ろめたさを国男は感じていたようです。
でもそれは国男の罪ではなかったはず…


東大生という将来を約束された道を捨てて
どんどんころがるように落ちていく国男の様は
読んでいて胃が痛くなりました。

主要な人物に共感できないと読むのがつらいです。

ひたすら、「どうなるの?」と思いながら読んでいました。


だから、読み終わっての感想が「読んだぁー」なのです。



国を挙げてオリンピックを成功させようとしていた時代に
オリンピックの開催を妨害しようとした男の名前が「国男」だなんて
なんて皮肉なんでしょうね(--
(フィクションなのはわかってますが…)
[PR]
by koharu1002 | 2009-05-07 21:38 | こんな本、読みました