誉田龍一さんの「消えずの行燈」を読みました。
幕末の江戸に怪死相次ぐ。
「おれたちの手で下手人を捕らえる」
若き志士・仁杉潤之助とともに動くは、
学究肌の武士・釜次郎、
噺家の次郎吉、剣の達人・今井。
奉行所無用の飛び抜けた力が、
七つの難事件を解き明かす。
「BOOK」データベースより
初めて読む作家さんです。
本所の七不思議をテーマにした
作品のようだったので借りてみました。
連作短編です。
本所の七不思議と言えば宮部みゆきさんも書いています。
宮部さんの作品は、
七不思議を不思議なままの印象でまとめた章もありましたが
これは徹底的に不思議の解明をしています。
時代は幕末。
舶来ものの技術が日本にはいってこようとする時代です。
一つひとつの話は面白いです。
謎の解明もまぁつじつまがあっていて
そう違和感もありません。
ただ残念なのは、主人公のはずの潤之助があまり魅力的でないこと。
潤之助をとりまく人々はそれなりに面白いです。
賢く知識も豊富な釜次郎。
噺家の次郎吉。
剣術の腕は半端じゃない今井君。
(真偽のほどは定かではありませんが…)
明治維新後の三人の様子は書かれているのに
何故か、主人公の潤之助だけ「潤之助の後年については定かではない」って…
そりゃないでしょ?(^^;
多分、最初の章の終わりがこういう書き方なので
後もそうしようと思ったのでしょう、
第二章、第三章と
主だった人々とは別に
後世になんらかの足跡を残した人々が
話の中にちょこっとでてきます。
話の大筋に関係あるでかたをする人物もいますが
これじゃ通りすがりの一人じゃないか、的な扱いの人もいます。
ここまでそういった事(後年はどうなったこうなった)に
こだわる必要はないんじゃないかとちょっと違和感が残りました。
吉田松陰や小栗忠順や前島密、はては篤姫まででてきますからねぇ…
欲張り過ぎじゃないですか?(^^;
物語はそれなりに面白かったと思うのに
最初の章の「潤之助の後年については定かではない」で
テンションがおもいっきり下がってしまいました。
残念っ…(><)