小春日記

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矢口敦子「証し」

矢口敦子さんの「証し」を読みました。
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過去に
金のために卵子を売った木綿子と、
不妊に悩みその卵子を買った絹恵。

二人の「子供」である十六歳の恵哉が、
一家四人惨殺事件の嫌疑をかけられ
自殺した時に、彼女達は出会う。

息子の無実を信じる木綿子は
真犯人捜しに乗り出すが、絹恵は懐疑的だった…。

犯人が現場に残した「VS」の謎が解けた時、
二人は恵哉の心の叫びを知る。長篇ミステリ。
                     「BOOK」データベースより

前に読んだ「償い」がよかったので
古本屋で見つけて買いました。

感想?
うーん、ありえんなぁ、かな、いろんな意味で。

過去に裕福な歯医者の妻で
子どもが欲しくて卵子を買って子どもを授かった絹江。
そして卵子を売らなければ生きていけなかった木綿子。
二人を主人公に話はすすみます。

まずありえないのが木綿子の考え方。

自分の子どもが人を殺すなんて信じられない、
それは親の気持ちとしてはわかります。
何をおいても自分の子どもは信じたいでしょう。
でも彼女の場合は、自分のDNAを受け継ぐ子どもが
そんな事をするわけがない、って発想です。

自分が売った卵子がちゃんとこの世に生を受けて
すくすくと育っていた事を
17年間も心に留めることもなく毎日を好きに暮らしていたくせに
夫が死に莫大な財産を手に入れたことで
働かなくても十分贅沢な生活ができる身分になって
また、自分が病気に侵され、
自分を見詰め直した(?)時にようやく思い出すような存在だった息子を
今さら「私の子ども、私の子ども」と思う神経が理解できません。

もっとそんな木綿子だからこそ
無理やりのこじつけで(自分の中で)犯人を特定し
追及するという暴挙にもでるのですが…


卵子の売買、体外受精等々はとてもデリケートなテーマだと思います。
どうしても、どうしても子どもがほしくて
お金と時間をかけ、自分たちの身を削るように努力をしている人を知っています。

卵子の提供を受け、子どもを授かった絹江の
「子どもは嫌いだけど、
結婚したら子どもが生まれるのは当たり前ですから」という発言にも
口があんぐりです。(小説だってわかってますが…)



あまりの木綿子の無謀さに(というかストーリーの無謀さに)
いったいどういう結末になるのだろうか、
という興味だけで読み終わった感じです。


でも何も得るものがなかったです。


読み終わってこんなに疲れる小説っていうのも
なかなかないでしょうね(^^;
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by koharu1002 | 2009-03-20 21:56 | こんな本、読みました