小春日記

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朝井まかて「実さえ花さえ」

朝井まかてさんの「実さえ花さえ」を読みました。
d0045063_21423733.jpg江戸・向嶋で
種苗屋を営む若夫婦、新次とおりんは、
人の心を和ませる草木に
丹精をこらす日々を送っている。

二枚目だが色事が苦手な新次と、
恋よりも稽古事に
打ち込んで生きてきたおりんに、
愛の試練が待ち受ける。

第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
                       「BOOK」データベースより

初めて読む作家さんです。
この作品も新聞の書評欄で興味をもちました。

読みやすかったし、いい話でした。
私の好きな「一生懸命誠実に生きていれば必ずむくわれる」が
いくつもあふれていて、
起きる事件にハラハラしますが
それでも最後は誰かに助けてもらったり
自力で活路を見出したりと
ほっとさせる終わり方になっています。

もっとも事件と言っても
誰かが殺されたりする生臭い事件はありません。



ただいくつか気になるところがあるんです。
まずは主人公の新次が
誰もが(特に若い娘は)振り返るようないい男であること。
見栄えがいいに越した事はないですが
特に必要ない気が…
人間的な魅力(いえ、真面目ないい男に描かれているんですが)を
もっともっと盛り込んでほしかったな…

んでもって、
女房のおりんが
新次の幼馴染の留吉の女房のお袖に
「なんであんたなんかと一緒になったのかわからない」と
なじられて凹んでいるのに
「おまえのここに惚れたんだよ」の答えがない。

それにそれに…

目指すものが違うと袂をわけたはずの
新次が修行した奉公先のお嬢様、理世との密通。
たとえそれが一夜限りだとしても
それがどんなに情にかなったものだとしても
それは女房のおりんに対する裏切りだと思います。

心が離れてしまった夫婦ならいざしらず
心がしっかりお互いに向き合っているはずの新次とおりん…
不安に思いながらも新次を信じる(洒落ているわけではなく)おりん…


家庭に波風をたてる必要はないかも知れませんが
多少の屈託はあってほしかったです。


そんなこんなで
私の好きなテーマであるにもかかわらず
いまいちすっきりおすすめです!と言えないのが残念です。
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by koharu1002 | 2009-01-23 22:42 | こんな本、読みました