小春日記

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帚木蓬生「閉鎖病棟」

帚木蓬生さんの「閉鎖病棟」を読みました。
d0045063_235498.jpg異常の烙印を捺され
社会から肉親から隔絶されたまま
流れ流れる果てしない時間が
突如として破られた…。

とある精神病棟。
殺人事件。
熱い血と熱い涙。
感涙を誘う長編。
                      「BOOK」データベースより
本屋さんに文庫が平積みしてあって
表紙裏のあらすじを読んで読みたいと思って図書館で借りました。
なのに実は全然この作品の内容を把握していなかったようで
読みながら「ん?こんなのだっけ?」と…(^^;


でも読んでよかったと思える作品です。

物語の中心は精神病院の病棟です。
開放病棟と呼ばれる比較的軽い精神障害の患者の病棟です。

一口に精神病院に入院していると言っても、
症状も違えば、もちろんそこに至るまでの経過も人それぞれです。

そして私が思っているよりもずっと
普通の生活をしています。
(こんな書き方が適切かどうかはわかりませんが…)


そういう普通の生活の中で事件は起こります。

通院患者で病棟のアイドル的存在だった中学生の島崎由紀が
覚醒剤中毒で措置入院(ただちに入院させなければ、
精神障害のために自身を傷つけ、
または他人を害するおそれがある)していた男に乱暴されたのです。

由紀は義理の父親に性的虐待を受け
そのために精神を病んでしまいました。
しかし由紀の心の傷は解放病棟に入院していた
秀丸さんやチュウさんたちと触れ合う内に癒され立ち直りを見せ始めていました。
それなのに…


悲しいけど少し温かくて不思議な雰囲気の作品でした。



「解放病棟」での話なのに、なぜ「閉鎖病棟」というタイトルなのか…
たぶん、文中のこの部分が表しているのではないか、と思います。

・・・本当はみんな退院を心から待ち望んでいるのにできない。
ここは開放病棟であっても、その実、
社会からは拒絶された閉鎖病棟なのだ。・・・
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by koharu1002 | 2008-12-26 23:41 | こんな本、読みました