小春日記

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重松清「きよしこ」

重松清さんの「きよしこ」を読みました。
d0045063_22445427.jpg少年は、ひとりぼっちだった。
名前はきよし。
どこにでもいる少年。
転校生。

言いたいことがいつも言えずに、
悔しかった。

思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。
そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。

ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。
伝わるよ、きっと―。

大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。
                      「BOOK」データベースより

三冊目の重松作品です。
良かったです、とても。


「きよしこ」「乗り換え案内」「どんぐりのココロ」
「北風ぴゅう太」「ゲルマ」「交差点」「東京」の七編からなります。

主人公は吃音症のきよし少年。
小学校から中学、高校までが描かれています。
きよし少年の成長の記録です。

きよし少年は吃音があるため、思うようにしゃべれません。
「か行」「た行」そして濁点の文字で始まる言葉は
必ずのようにつまってしまいます。

ですからそれらの言葉は他の言葉に置き換えたりします。
置き換えられないときは、ぐっと飲み込んでしまう事も多いのです。

伝えられないもどかしさ…


特に「北風ぴゅう太」の話が好きです。
作文が得意な少年は
卒業式の前日に開かれる「お別れ会」で発表する
劇の台本を書くように担任の先生から頼まれます。

クラスの全員に一言でも台詞を言わせる事と
最後を悲しい話にしない事、これが先生からの条件です。
少年は考えて考えて
「マッチ売りの少女」をモチーフに劇を書きます。

先生の小学二年生の娘、ゆかりちゃんは重い心臓病を患っています。
劇の練習が始まった頃、急に容態が悪くなり手術する事になります。

劇に不満があったりして、ちょっぴりもめたりもしましたが
クラスの誰もが先生の事を思い、ゆかりちゃんの事を思い、
素晴らしい劇に仕上げていきます。


この頃の子どもたちって、大人が思うよりも大人だったりしますよね…

この章のラストは本当に感動的でした。





どの話もどこか温かくて、素敵です。



「それがほんとうに伝えたいことだったら・・・・・伝わるよ、きっと」
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by koharu1002 | 2008-12-09 23:39 | こんな本、読みました