小春日記

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桂望実「明日この手を放しても」

桂望実さんの「明日この手を放しても」を読みました。
d0045063_1917421.jpg19歳で途中失明して夢を失った凛子。

向日葵のようだった母の死に続き、
寡黙だけど優しい漫画家の父まで
いきなり「消えて」しまった。

残ったのは、自分のことに精一杯で
気配りの足りない兄・真司だけ。

その日から
「世界中の誰よりも気が合わない二人」だけの生活が始まった!
一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは…。

家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。
                      「BOOK」データベースより

初めて読む作家さんです。

几帳面で冷静で潔癖症な凛子と、
いつも不満だらけで無神経な兄、真司。

母の死、あいついでの父親の失踪。
突然二人きりにされてしまった兄妹。

初めは全く相いれない感じの二人でしたが
徐々に変わっていく様子がなかなか良かったです。

凛子と真司のそれぞれの視点で
章が交互に書かれていて
どちらにも偏らないで読めるのが良かったのかも知れません。

どちらかだけの視点で書かれると
どちらかは全く愛されないキャラクターになっていたかも、です(笑)

特に兄、真司の変わりようは目を見張るものがあります。
最初の頃の、視覚障害者の妹に対する気配りのなさは目を覆うばかりですが
でもそう言ってもそういう障害のある人間が身近にいない私も
さてどれくらいの気配りができるかって言われれば
真司と対して変わらないのじゃないかと思います。

言葉は悪いかも知れませんが「慣れ」って大事ではないでしょうか。
「慣れ」というか「学習」というか…

突然二人きりにされて初めて
真司は凛子の視覚障害に向き合うわけですからね。

何にしても兄妹ですもの、
お互いがお互いの存在をかけがえのないものだと感じられるようになって
本当に良かったです。

しっかし、お父さんはどこへ行ってしまったんでしょうねぇ…
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by koharu1002 | 2008-11-25 23:41 | こんな本、読みました