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小春日記

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映画「コドモのコドモ」

コドモのコドモ」を観にいきました。

はっきり言っておかしな、というかありえないって事が多すぎです。
小学校5年生の女の子が出産していいいのか、
とかそういう倫理的なものはちょっとわきにおいといて…

まず何故母親が気付かない?
子どもに興味をしめさないほったらかしの母親ならともかく
「あんたたちはこのお腹からでてきたんだよ。
あんたたちの事なら具合が悪いのだって
悪さをしたのだって、絶対にわかるんだよ」と
ポンっとお腹をたたきながら宣言する母親が
何故、9か月になっても気づかないんだ?

まさか自分の子どもが妊娠するわけがない、なんて
信じきっているは通らないでしょ?

うちの娘が今、8ヶ月でかなりお腹がでています。
大人の女性でさえとても目立つのに
5年生のきゃしゃな女の子があんなにお腹だけでてきたら
妊娠と疑わなくても病気だと思うでしょ?

ま、ここで大人がでてきたら
映画のテーマからはずれてしまうんですよね。
なんてったってこの映画のテーマは
「子どもの団結力ってすごい!」らしいですから。

でもねぇ、子どもだけの出産なんてありえないでしょ?
あと1ヶ月で生まれるという雪の日の朝、
はるか(主人公)は急に産気づいて、登校途中で破水します。

一緒に登校していた子どもたちは
クラスメートの男の子の産婦人科医のお父さんを呼びに行きます。
が、急患だとかでこられません。
何度も「救急車呼べよ」と心の中で叫んでました。
クラス委員の女の子が「私たちが赤ちゃんをとりあげるのよ」と宣言。
登校していた(赤ちゃんの)父親の男の子と産婦人科医の息子を
授業中に抜け出させます。

そして本当に子どもたちだけで出産するんです。
です、けどね。

やっぱりこれはどう考えても現実的じゃないでしょ?
産婦人科の息子がてきぱきと指示して必要なものを揃えさせます。
でもこの男の子、「出産はグロい」とか言って
医者以外の仕事ならなんでもいい、って言ってたんですよ。
あきらかに出産シーンなんて立ち会った事ないでしょ?
「きれいなタオルとお湯を用意して」なんて
まるでお産婆さんがでてくる昔のシーンみたい。

それに無事に元気に出産したから(映画ですからね)いいようなものの
もし死産だったり、生まれた後に死んでしまうような事になったら
どれほど子どもたちの心に傷を残すか…
身体が大人でない妊婦が普通に出産できるわけないとも思うし。
一度でも出産の経験のある人だったら
あまりにもこの出産は嘘っぽいと思うんじゃないでしょうか。
そういえば出産したあと、産婦人科の先生が
「まれにみる安産だった」とか言ってたけど
思わず笑ってしまいました。
せめて出産だけは、ちゃんと大人が手をかしてやって
どんなに反抗していても、どんなに大人が信用できないと思っても
やっぱり大人は頼りになるんだって持って行ってほしかったですね。

原作は漫画らしいですから、
そのへんを変えるわけにはいかないのでしょうね。



もちろん学校では父母たちが大騒ぎ。
担任教師が吊るしあげにあいます。
これって先生に責任あるの?



はるかの家族は可愛い赤ちゃんの毒気にやられた(笑)のか
妙になごんでいたりします。

(赤ちゃんの)父親の家族は「もうこの町にはいられません」って東京へいってしまいます。
何だかなんもかんもヘン!



前に女子高生が妊娠、出産する「JUNO」って映画を観ました。
「JUNO」は、はじめ驚き怒り嘆いていた家族が
やがてJUNOの味方になり絆を深めていくって話でした。

そして出産してJUNOは
「二度と会う事はないから」と契約をして子どもを里子にだします。
それは産まれた子どもを愛していないからではありません。
育ててくれる人が母親だと信じて生きるほうが
産まれた赤ちゃんには幸せなのだと、JUNOは思うからです。

それにひきかえこの作品では
産まれたらそれでいいじゃないか、
丸くおさまったんだから…みたいになってるのが理解できません。

赤ちゃんの一歳のお誕生日に
東京に行った父親や、嫌ってた担任や
出産に立ち会ったクラスメートを家に招いてパーティを開きます。
みんな和やかで楽しそうです。



あまりにきれいに描きすぎて、多少のドロドロも中途半端で
一体この作品は誰にどんなメッセージを送りたかったのか…
いや、わかってますよ、
子どもはすごいって言いたいっていうのは…




全否定の感想になってしまいました。















この映画で感動した方、ごめんなさい…
by koharu1002 | 2008-11-07 19:14 | 映画のハナシ