荻原浩さんの「あの日にドライブ」を読みました。
元エリート銀行員だった牧村伸郎は、
上司へのたった一言で
キャリアを閉ざされ、自ら退社した。
いまはタクシー運転手。
公認会計士試験を受けるまでの
腰掛のつもりだったが、
乗車業務に疲れて帰ってくる毎日では
参考書にも埃がたまるばかり。
営業ノルマに追いかけられ、
気づけば娘や息子と会話が成立しなくなっている。
ある日、たまたま客を降ろしたのが
学生時代に住んでいたアパートの近くだった。
あの時違う選択をしていたら…。
過去を辿りなおした牧村が見たものとは?
『明日の記憶』著者の最新長編!
出版社 / 著者からの内容紹介
図書館で借りた一冊です。
荻原浩さんは好きな作家さんの一人なんですが、
この作品は主人公が冒頭で自分の不運ばかりを嘆くので
なかなか入り込めずに困ってしまいました(^^;
「たら」「れば」を繰り返し、
自分の人生はどこで間違ってしまったのか、と
嘆いてばかり…
ちょっとしたタイミングでお客を逃してしまうのも
ただ不運なだけだと。
でも途中から、成績のいい先輩運転手のマネをしてみたら
これがなかなかうまくいって
それから自分なりの工夫を加えて
それなりの成績をだせるようになります。
人間、自信がつくと変わっていくもんですねー
ま、これは小説ですから
男の人がこんな風に過去の出来事を
あれこれ、あーだったらよかったのに、とか
こうすれば変わっていたかも…なんて
考える人ばかりじゃないとは思いますが、
私が女だからか、それともそんな性格だからか
あんまり過去にこだわらないので、
主人公の過去に対する思い入れとか
過去がらみの妄想とかを
「あほくさー」とか思ってしまいました(笑)
何にしても、今をどうよりよく生きるか、
それが大事なんだと主人公が気付いてくれて
よかったよかった^^