小春日記

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「錦繍」

宮本輝さんの「錦繍」を読みました。
d0045063_1981295.jpg「前略
蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登る
ゴンドラ・リフトの中で、
まさかあなたと再会するなんて、
本当に想像すら出来ないことでした」

運命的な事件ゆえ
愛し合いながらも離婚した二人が、
紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。
そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る―。

往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた
男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。

「BOOK」データベースより

ふとした偶然で十年前に別れた夫、靖明と
ゴンドラ・リフトで乗り合わせた亜紀は
靖明の生活に疲れた様子が気になって
手をつくして靖明の住所を調べ、手紙をしたためる。

この作品は亜紀から靖明へ、靖明から亜紀へ
届けられた14通の手紙の形で書かれています。

こういうタイプの作品は初めてなのでとても新鮮でした。

ただ、この作品の大きな柱になっている(と思われる)
「生きていることと、死んでいることとは、
もしかしたら同じかことかもしれない」が
私にはよく理解できませんでした(^^;

モーツァルトにのめり込み、銀行を定年退職した後、
退職金でモーツァルトのレコードだけをかける喫茶店を開いた店主が
亜紀に問いかけた「モーツァルトという人間の奇跡」について
亜紀が答えた言葉です。

「生きていることと、死んでいることとは同じ」
うーん…やっぱりわかりません(><)

ただ、過去の行いがあって今があり
今、この瞬間の生き方で明日の方向が決まってくる、
これは理解できます。

過去のわだかまりを手紙にたくして
お互いが顔をつきあわせては言えなかった気持ちを
すべて吐き出してしまい(言葉が拙いですが…)
これから新しく生きていこうとする二人に
頑張れっ、と声をかけたいです。

一つ、最後まで気にしながら読んだのは…
愛し合っていたのに別れてしまった二人ですから
書簡のやりとりをしている間に
お互いの気持ちが高まって、よりが戻ってしまう、
なんてことあるのかなと心配した事。

ハッピーエンドが好きな私ですが
それでは、今、靖明と一緒に暮らしている令子さんが
あまりにも可哀そうじゃないですか(--;

ネタばれではありますが
お互い、新しい道を踏み出したというラストで
ほっとしたのでありました^^



多分、この作品は
読む毎に感じ方が違うかもしれません。
5年先、10年先、自分がどんな風にこの作品を読むか
それにも興味がひかれます。
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by koharu1002 | 2008-06-10 20:42 | こんな本、読みました