小春日記

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「誰か」

宮部みゆきさんの「誰か」を読みました。
今多コンツェルンの
広報室に勤めるd0045063_218232.jpg
杉村三郎は、義父であり
コンツェルンの会長でもある
今多義親からある依頼を受けた。

それは、会長の専属運転手だった
梶田信夫の娘たちが、
父についての本を書きたいらしいから
相談にのってほしいというものだった。

梶田は、石川町のマンション前で
自転車に撥ねられ、頭を強く打って亡くなった。
犯人はまだ捕まっていない。
依頼を受けて、梶田の過去を辿りはじめた杉村が知った事実とは…。
「BOOK」データベースより

最後まで読んで「そっか、そういう事か…」とは思うのですが
なんとなく後味の悪い感じで終わってしまいました。

読んでいる途中も、いつも宮部さんの作品を読む時に感じる
「ワクワク」が少なかった気がします。
それはなんでだろう?

もちろん読みやすいし、登場人物も個性的で
特に菜穂子さんのキャラクターが素敵で
結婚のきっかけになったエピソードも
主人公の杉村に野心や欲望がなかっただけに
とてもさわやかなんですが、それだけに
ラスト近くに杉村が言われる「(中略)あいにく僕には、あんたみたいに、
愛情なんて厄介なものを抜きにして、
これと狙いをつけた有利な結婚相手を確実に落とすような根性がないんです。
そこまでの戦略性がない。
もっともっと生身の男なもんでね。」というこの一文に
言いようのないやりきれなさを感じてしまいました。

私が杉村なら「おまえみたいな奴になにがわかるんだっ」と
一発殴ってやるんですが…(^^;


「誰か」の中での一番印象に残っている一文は
「人間てのは、誰だってね、
相手がいちばん言われたくないと思っていることを言う口を持ってるんだ。
どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから」です。
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by koharu1002 | 2008-04-21 21:44 | こんな本、読みました