小春日記

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「卵の緒」

瀬尾まいこさんの「卵の緒」を読みました。d0045063_2102587.jpg

「卵の緒」と「7's blood」の
2つの作品からなる短編集です。
2つ合わせても200頁ちょっとしかありません。
「卵の緒」…
育生は自分は捨て子だと思っている。
根拠は「僕は捨て子でしょ?」と
聞いた時の祖父母の反応がおかしい事。
なにより母さんの僕に対する知識があやふやな事。

ある日の授業で、どの家庭にも母と子をつないでいた
「へその緒」があるはず、と教えらた育生は
さっそく母さんに聞いてみた。

母さんはぶつぶつ言いながらも「へその緒」を探し、
持ってきてくれた箱の中には
なんと「卵の殻」が入っていた…
この母さんがとっても面白い。
育生に「卵の殻じゃないか」と詰め寄られると
「育生は卵で産んだんだから」と反論し、「母さんならあるかも…」と思わせる(笑)

小学5年生の育生に、新しく職場に入ってきた男性を
かっこいい、かっこいいとベタほめし、夕食に誘って一緒に食べ
「最近こないねぇ」と聞かれれば
「実はね、母さんさ、朝ちゃんとキスをして、
ついでにそれ以上のこともしてしまったの」と告げる。

育生は、母さんが自分のことを自分のペースで話すのをみていると、
やっぱり、本当の親子じゃないんだなと思ったりする。
でもそれに気づくのが悲しいとか嫌だとかじゃなくて、ただそう思うだけ。

今の世の中、親が子を子が親を愛せなかったりします。
血のつながりがあってもなくても
愛し合うこと、思いあうことが大事なんですよね^^



「7's blood」は家庭の事情から二人きりで暮らすことになった異母姉弟。
ぎくしゃくしながらも、少しづつ心を触れ合わせていく話です。

喧嘩をしてしまい、
姉の誕生日のために買ったケーキを姉にプレゼントできず、
密かに処分しようとして姉に見つかり
二人で腐りかけのケーキを「大丈夫、大丈夫」と言いながら
食べるところは胸がつまります。

この作品も「血がつながっている事だけが大事なんじゃない」と言っているようです。
この作品は、ちょっと温かくてちょっと切ないお話です。
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by koharu1002 | 2008-04-13 21:30 | こんな本、読みました