飯田譲治・梓河人さんの「Gift」を読みました。
ひとりの青年が豪華マンションの
クローゼットの中から
瀕死の状態で発見された。
発見したのは
人材派遣会社の社長、奈緒美。
奈緒美はこの部屋の持ち主、岸和田と
横領した厚生省の研究開発費51億円をもって
海外逃亡するはずだった。
しかし岸和田も51億円もきれいに消えていたのだ。
岸和田の失踪の手がかりはこの青年だけだが
彼は自分の名前も年齢も
思い出せない記憶喪失になっていた。
奈緒美はこの青年に「由紀夫」という名をつけ
自分の監視下におくことにした。
この作品は97年に木村拓哉主演でドラマ化されたものです。
ん?ドラマが先なのかな?
ドラマはみてなかったんですが、主演が木村クンだというのは知っていました。
だからどうしてもそのイメージで読んでしまうので
これは失敗だったかな…と思いながら読んでいました(ーー;
でもすごく面白かったです(笑)
初めは51億円の手がかりだけの「由紀夫」だったはずが
だんだんと「仲間」になり「家族」のようになり…
「アナン、」の時もそうでしたが
主人公の引力にひきよせられて
まわりのみんなが何かしら手助けをしたり
守ろうとしたりする姿は
こういうせちがらい世の中ですから
フィクションなんですが、心が救われる気がします。
由紀夫は「届ける」事に異常な執念を燃やします。
それは失った過去にかかわりがあるのでは、と考えた奈緒美は
由紀夫に「届けや」の仕事をさせます。
普通の宅配便には預けられないものばかり。
それがまたいろいろで面白い。
中には本当に危ない仕事もあります…
解説の中に
「失われた記憶とは、宇宙に星が散らばっている状態。
けれどそれを線で結んでいくと、それが星座である事がわかる。
記憶が戻るというのは、星と星が線で結ばれること」
とあります。
とてもわかりやすいたとえです。
由紀夫は何度も危ない目にあいながら
とうとう失われた記憶を取り戻します。
そして記憶の戻った由紀夫の選択とは…
登場人物もいろいろなキャラクターがあって楽しかったですね^^