小春日記

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「天国までの百マイル」

浅田次郎さんの「天国までの百マイル」を読みました。
バブル崩壊で会社も金も失い、
d0045063_107084.jpg妻子とも別れた
ろくでなしの中年男城所安男。

心臓病を患う母の命を救うため、
天才的な心臓外科がいるという
サン・マルコ病院めざし
奇跡を信じて
百マイルをひたすらに駆ける。

いい話です、とっても。

何もかも失って、いつ死んでもいいとさえ思う主人公が
手術は絶望的と言われた母親を救うために
母親をワゴン車に乗せて
ひたすら百マイル離れた病院へいそぐ。

でもこの話は息子と母親の美談だけじゃないです。

影で支えてくれる
別れた妻やかかりつけの病院の医師や
行き場のなくなった安男を引き受けて働かせてくれ
ワゴン車を貸してくれた友達や
ガソリン代もない安男に
「自由になる金があって商売してるんじゃねぇ」と言いながら
財布ごと渡してくれた金貸しの男、
たくさんの人々の無償の善意があっての話なんです。

一番の存在は
妻子と別れた後、養育費のために
生活費を丸々渡していた安男を
食べさせ面倒を見ていた薄幸な女、マリ。
安男が立ち直った時、静かに消えていったマリ。

人間は一人で生きてるんじゃない、と
本当に思いました。

そしてこの「母」が素晴しい。
「母」の一言ひとことが心にしみます。
こんな「母」にはなれないとは思うけど…
なれたらいいなぁ…
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by koharu1002 | 2007-08-03 10:25 | こんな本、読みました