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小春日記

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山本一力「ほうき星」

山本一力さんの「ほうき星」を読みました。
山本一力「ほうき星」_d0045063_20214496.jpg七十数年に一度現れる「ほうき星」が
江戸に輝いた天保六年。
さちは、絵師・黄泉とさくらの娘として深川に生まれた。

両親の愛情と下町の人情に包まれ、
幸せな子ども時代を過ごすが、
まもなく思いもかけない不幸に襲われる。

両親の死、慈しんでくれた祖母の死を乗り越え、
やがて絵師としての天分を発揮するが…。

どんな苦難のなかでも凛として生きた娘を描く感動時代長編。
                「BOOK」データベースより
山本作品では比較的新しい作品です。
一般図書の棚に戻ってようやく上下巻が揃っているのを見つけて
やっと借りられました。

舞台はいつも通り、深川。
定番の富岡八幡宮や八幡宮のお祭りの様子もでてきます。
よほど深い愛情があるんでしょうね^^


お話は、主人公のさちが突然の両親の横死や
可愛がってくれた祖母の死に負けずに
健気に自分の道を歩いていくというものです。


いつも思うのですが
山本作品に登場する子どもたちって
ものすごくできがよすぎやしませんか?(^^;

始めはそこがひっかかって
「ふーん…」ってちょっと冷めた感じで読んでしまいました。

それに仲睦まじい両親や、まわりの大人たちから愛され
幸せいっぱいのさちの様子を見ながら(読みながら)
「このままなワケない」とか
かなり穿った読み方をしてしまいました。

だからさちのお父さんとお母さんが
船で旅にでるとわかった時
「沈没で亡くなるんだなぁ」とか思ってしまい、
そう思ってしまう自分がすごく嫌でした(--


ここからはちょっとネタばれですが…


そしてさちが
幼馴染の幹太郎が大好きなのに
絵の道と魚屋のおかみの道は重なる事がない、
などと勝手に決め付け
幹太郎と別れてしまうくだりでは
「道三堀のさくら」を思い出してしまい
「どうしてそうなるかなぁ」と憤っていました(笑)


でも今回は私の大好きな終わり方なので大満足^^



でもでも、ごくごく普通の私としては
登場人物がそれぞれの道で素晴らしい人間ばかりっていうのは
本音を言えばちょっと息苦しいです(^^;

「損料屋始末記」のシリーズように
悪い奴がいて、その悪い奴をばっさばっさと懲らしめて
そしてその悪い奴にもいいところがあって…
って方が人間くさくって好きですね、正直な感想としては。
by koharu1002 | 2009-10-23 20:27 | こんな本、読みました