小春日記

koharu02.exblog.jp
ブログトップ

翔田寛「誘拐児」

翔田寛さんの「誘拐児」を読みました。
d0045063_218681.jpg終戦翌年の誘拐事件。
身代金受け渡し場所、闇市。
犯人確保に失敗。

そして十五年後、事件がふたたび動き出す―。

人間の非情と情愛を見つめる魂の物語。

第54回江戸川乱歩賞受賞作。              
                   「BOOK」データベースより

前に新聞の広告でみて気になっていて作品です。
江戸川乱歩賞を受賞しているわりには
あまり評判がよくないようで…

私はまぁ、面白く読みましたよ。
最後の方はなかなかスピード感もあって、どきどきしましたし。

ただ、なんで昭和30年代半ばを舞台にしたんでしょう。
戦後すぐの混乱期に起きた身代金めあての誘拐事件の
時効直前、となればどうしてもそうなるんでしょうけど。

昭和36年の東京といえば
3年後に東京オリンピックを控えて
わきたつようなにぎやかさがあっただろうと思うのですが
時折オート三輪の描写とかでてくる以外に
昭和30年代を想像させるものが少なかったような気がします。

だから誘拐事件を発端に発生したと思われる事件も
現在に起きた事件なのかと錯覚してしまう感じです。


それから、主人公がはっきりしないです。

多分、誘拐された(と思われる)良雄だろうとは思うのですが
良雄の彼女や事件を追う刑事たちの目線で書かれている部分も多く、
文章を途中まで読まなければ、
その章は誰が中心なのかわからなかったりして
ちょっと混乱したりしました。

事件を追う刑事たちも、
神崎と遠藤、輪島と井口の個性がはっきりしていないので
それぞれがどういう路線で事件を追及しているのか
途中でわからなくなって、前の文章を読み返したりもしました。

登場人物も「この人が中心」っていうのが感じられないからか
魅力的な人物がいないからか、あまり感情移入できなかったです。


でも、推理小説としては
(私はぎりぎりまで犯人を特定できなかったので)
よかったんではないでしょうか(^^;




ここからはちょっとネタばれ。


犯人が特定できなかったと書きましたが
犯人の登場部分が少なすぎやしませんか?(笑)
[PR]
by koharu1002 | 2009-10-11 21:52 | こんな本、読みました