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小春日記

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百田尚樹「永遠の0」

百田尚樹さんの「永遠の0」を読みました。
百田尚樹「永遠の0」_d0045063_20461194.jpg日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、
仲間から「卑怯者」とさげすまれた
ゼロ戦パイロットがいた…。

人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎と
フリーライターの姉・慶子は、
太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。

祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。

元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は
健太郎たちの予想もしないものだった。
凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、
生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。

「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、
なぜ特攻を志願したのか?

健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた
驚愕の事実にたどりつく。

はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。
                   「BOOK」データベースより

戦争の話をこんなに詳しく書いてある小説を読んだのは初めてです。
言葉では知っている事柄も
はるかかなた昔の出来事として
ドラマや映画や舞台のフィクションの世界として
あまり現実味がありませんでした。

でも、実際にはどんな事にも
それを行った人がいるんですよね。

戦争は狂気だと思います。
撃ち落とした戦闘機にも人は乗っています。
でもそんな事考えていたら自分が撃ち落とされてしまいます。
まさに、生きるか死ぬかの世界なのです。


特攻にしても桜花にしても回天にしても
またあちこちの戦場で戦った人も
皆、利己的な理由で行動したわけではなかったと
これを読んで改めて思いました。

愛する人を守りたい。

その一途な思いで命を散らしていった若者たち。


切なくて悲しくてやりきれなくて、胸が痛くなる一冊です。

でも、読後感が思ったよりずっといいのは
宮部の人柄と、その人生に触れた孫の健太郎と慶子のこれからの生き方が
今までとは違ったものになりそうだ、という予感があるからだと思います。
by koharu1002 | 2009-09-28 21:31